時ひそやかに香りて

香水-07
モテモテの香水術(を誰か教えてください)

[Let there be scent with our life.]
音楽が時間の芸術であるのと同様に、香水もまた時間の芸術だと思う。

時間の経過とともに香りは変容していく。
アルコールは揮発し、次々と香りが現れては入れ替わり、そしていつの間にか消えていく。
あとには何も残らない。

確かに香りは永続しない。
同じ時間の芸術とは言え、音楽にはそれを記録する媒体が存在するから、それと比べると儚い芸術だ。

だが、香りはしばしばかけがえのないものを呼び起こす。


記憶だ。

過去に嗅いだことのある香りならばそのときの付帯状況がふいに浮かび上がってくるし、初めての香りならばそれを遠い未来にもう一度感じた時、あなたは「今」を思い出すだろう。

香りには時間が付着するのだ。

さよなら香水

それには医学的に正当な理由がある。

鼻腔の奥にある嗅細胞に匂いの分子が結合し、その電気信号は嗅神経を伝わり、一次中枢である嗅球へと伝わる。
そして前梨状皮質、扁桃体、視床下部、大脳皮質嗅覚野(眼窩前頭皮質)などに伝わり、色々な情報処理をされて臭いとして認識される。
特にこの処理系の一部である扁桃体は記憶や情動を司るため、その香りが存在した状況をその香りとともに記憶しやすいと言われている。

個人的な記憶で言えば、古い木造住宅の匂い(おそらくはカビの匂いだ)は幼い頃に足を踏み入れた祖母の家の普段は誰も入らない部屋を想起させるし、Comme des Garconsのインセンスの香りは学生寮の暗く湿って狭かったあの部屋に直結している。

何気ない日常、それぞれの季節。
わかち難く、それぞれ香りと結びついている。

真新しい鞄や制服の匂い。
叩き付ける夕立、アスファルト。草いきれ。
稲刈りの終わった田んぼが焼かれている。早くなる日暮れと金木犀。
台所で出来上がっていく夕餉。焼き魚。どこかの家でカレーが煮詰められている。

僕たちは避けようもなく匂いと記憶にその身を絡めとられながら生きているのだ。
誰にでも経験があると思う。

そして、記憶というものがひとをいかに温めてくれるかということを、僕らは齢を重ねるごとに知っていくことになる。
それと同時に記憶がどうしようもなく脆いものだということも。

今こうやってあなたが生きている瞬間の記憶は、いつのまにか脳の、あるいは心のどこかにそっと身を潜めてしまうだろう。
もちろん隠れてしまわない記憶もある。
だが大部分は何者かによって忘却の彼方に連れ去られてしまう。

でも、もしここであなたが香りを身につけていたとすれば、いつかその香りがあなたを「今」に連れて行ってくれるかもしれない。

人生の悲喜交々の瞬間が、あるいは何気ない日常の一瞬がしまい込まれている引き出しを探し当て、中からそっとそれらを取り出し、埃を払って目の前に差し出してくれるかもしれない。

その時あなたは気付くことになるだろう。
その香りが立ち上げた記憶によって、温められた心に。

香水は香りが閉じ込められた記憶の呼び水なのだ。
記憶という重荷を背負ったためか、自らは儚く消えていく。

だが香りはごく控えめに言って、とても有効に機能するだろう。
あまりにも脆いわたしたちの記憶を強固にするための、美しいデバイスとして。

ひとは明日もその呼び水を纏う。
おそらくは単純に、素敵な香りに包まれるために。
だが、その意図を飛躍して、香りは記憶を閉じ込める。
ひどくありふれた特徴のない一日だって、いつかその香りとともに懐かしく振り返られるかもしれない。

あの時代、何気ない日常を過ごしていたという記憶がよみがえった時、それは思い出に昇華する。

そしてわたしたちはそれに「幸せ」という名前をつけて呼ぶだろう。


ひとのときよ、香りとともにあれ。


[いい香りはひとそれぞれだけどね]
何を隠そう(隠してない)僕は香水が大好きです。

好みとしては、フローラル(特に白い花)、ウッド、スパイス、アニマリック系といったところでしょうか。

フレグランスの基本を簡単に押さえるには日本フレグランス協会のサイトがいいと思います。

http://japanfragrance.org/pdf/fragrance-abc.pdf


ここで簡単なことは学べます。

それともう少し興味がある方には、エルメスの調香師であるJean Claude Ellena(ジャン=クロード・エレナ)が書いた「香水」という本を読んでみることをお勧めします。
調香師という職業、香水の創造過程、産業としての香水製造などいろいろな側面から書かれていて、楽しく読めます。

特に僕はエルメスの「地中海の庭」が特に気に入って使っていて、80ページからの地中海の庭を作ったときの文章は特に興味深く読みました。

今メインで使ってるのはHermes エルメス、Joe Malone ジョー・マローン、Santa Maria Novella サンタマリアノヴェッラで、この牙城はしばらく崩れそうにありません。

その他適宜所有しているものを使ってます(当たり前だ)。

集合香水 

これらをごく簡潔にご紹介したいと思います。

[Jo Malone ジョーマローン]
JM ポメ

ここ何年かでよくつけてるのがJo Malone。
Pomegranate Noir Cologne ポメグラネート ノアール コロンはおそらく理想の香りの一つ。

4年前にBarbour × TOKITOのジャケットを個人輸入したときに、これのボディクリームのサンプルがなぜか同梱されていて、当時はまだJo Maloneは日本に上陸してなくて、なにこのいい香り!!??と驚いたのを覚えてる。

そしたらほどなくして銀座の松屋に店舗が出来て、当然脱兎のごとき速度で購入した。

大胆で官能的な赤いシルクのイブニングドレスに着想を得た香り。
ザクロ、ラズベリー、プラムのみずみずしいフルーティな香りにピンクペッパーが効いていて、さらには華やかなカサブランカとスパイシーなウッディ調が加わり非常に洗練された印象を演出します。
トップノート:ざくろ ミドルノート:カサブランカ ベースノート:ガイアックウッド
公式サイトからの引用


もうひとつがSweet Lime & Cedar cologne。

JM ライム

いまJo Maloneの公式サイトを見てもラインナップにない・・・・。
なくなったのかな。
少し女性的かも。特にミドルからラストノートはフルーティな甘さが際立つ。


[Calvin Klein / Eternity]
エタニティ

原風景というか刷り込みというか。
10代の頃、初めて「これつけたい!」と思った初めての香水。
CK oneにはそれほど惹かれず、CKと言えばEternity派です。
未だにしょっちゅうつけます。


[Hermes / 地中海の庭]
地中海

間違いなくベストフレグランスのひとつ。
この地上における至高の香りをひとつだけ選べと言われたらこれかもしれない。


[Comme des Garcon / 2]
オルソはインセンスから入って、フレグランスはその次。
好きな人も多いと思う。

ギャルソン2

大学生の時、これをつけてよく青山を歩いたから、青山にいくとこの香りが脳内に流れ込んでくるし、この香水をつけると青山が否応なく想起される。

でもギャルソン青山店にはあまり足を踏み入れてない。

Kyotoもけっこう好きだけど、ちょっとスパイスが強い。


[Penhaligon's for men / Lp No.9]
1870年創業のグルーミングブランドの老舗とはいえ、日本で特にメンズではペンハリガンは大人気とは言えないと思う。
一言で言えば紳士の香りだろう。
イリスウッド、ジャスミン、イランイラン、クローズ、シナモン、ペッパー。
そこにわずかにバニラやムスクが混じることで力強いストラクチャーとなる。

ペンハリガン

個人的には男性だけの集まりの時につけている。
6〜7年くらい前に丸の内のエディフィスで買ったような・・・・。
まだなくならない・・・・。


[Santa Maria Novella サンタマリアノヴェッラ]
これはもう定番中の定番ですね。

香水-05

SMNポプリ。
嫁さんがSMN好きなので。

SMN パチュリ

パチュリも時々借ります。


[どれも一度感じてみて欲しい香りです]

香水-01

文章で香りを語るなんて無理にも程があるんだけど、どれもおすすめです。
他にもいっぱいあるんだけど、メインで使ってる香水を挙げてみました。

ちなみに青春の香りを一つ挙げろと言われたら(誰も言わないけど)、エリザベスアーデンのグリーンティを挙げるでしょう
何故って?
出会ったときに嫁さんがしてたからさ。
















仙台にも直営店出来ればいいのにな。



















永続希望。


















こんな値段で買えんのかよ。


















瓶のデザインが変わってました。



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[ 2015/02/08 00:00 ] 日常小物 | TB(0) | CM(0)

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