Today's style-82- smoothdayのジャケットの考察も兼ねて

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上:Armani Collezoni
中:smoothday
中の中:時知らず
下:stone island
靴:guidi

[smoothdayのセールに行けないのがとてつもなく悔しい]
smoothdayのセールに行った友人がものすごい混みように驚いていました。

ああああ行きたい。


smoothdayの素材には基本のディオラマ、テクノラマ、コズモラマのほかにもたくさんの種類があって、それぞれかなりテクスチャーが異なるので、実際に見て触ってそして何より着て買いたいので今回は諦めざるを得ません。

だからというわけでもないのですが、今日は所有しているsmoothdayのジャケットを着ていましたのでToday's Styleを、smoothdayについての考察とともに。


[解説]
まずアウターはもう10年くらい前に買ったアルマーニコレツォーニのスタンドカラーブルゾン。
アルマーニっぽい独特な化繊のファブリックと裏に貼られたマイクロフリースがあったかくて毎シーズンよく着ています。

半端な丈もお気に入り。
これも今見るとスタイリッシュとは言い難いんだけど、スタンドカラーでちょっとAライン気味のブルゾン、好きなんですよねえ。

下はstone island。
これもtkj終のワードローブ入りが決定しています。
好きな形と一見して分かる上質なファブリック、ほのか(でもないか)なストリート感。

靴は先日購入したguidi。

今個人的にguidiがすごくいいですね。

さて、外にいるときはこれでいいんですが、ちょっと中に入ると効き過ぎなくらい暖房が効いてたりします。
節電はどこにいったんだろう。
きっとそれ保護されてる機密事項なんですねわかります。

アウターは頻繁に脱ぎ着しますから、中に着てるものもちゃんとします。

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今はもうたぶん店頭にありませんが、夏くらいに買ったコズモラマ2枚仕立てという超贅沢な一つボタンのカットソージャケット。

もう生地の肌触りが異常。

着た時の快適さ、ドレープの美しさが異常。

当然生地がいいだけではこの良さは出ません。
これを生かしきるデザインとそれを量産し得るパターンの構築。
ものすごい高いレベルの衣服です。

これだけsmoothdayを絶賛しつつ、実はあんまりそのディティールに触れていませんでした。

僕が気付く範囲で見ていきたいと思います。

sdjkt2.jpg

このジャケット、コズモラマのダブルフェイスで袋縫いになっていて、ステッチラインが極力表に出ないようになっています。
ここでいう「表」は内側外側すべての表面という意味です。
袋縫いになっているので、ステッチは目に見える部分のほとんどにありません。

コズモラマという生地を美しく見せるのにステッチラインが不要だったことと、ステッチを体に触れさせないことで着心地を向上させること。
この2点がこのデザインの必然性。

上の画像は一番わかりやすいなと思って、パッチ状のポケットの拡大です。
ステッチラインが全くないのがわかると思います。
裏を見るとインターロックを掛けて外に響かない形での地縫いがされていましたので耐久性は十分。


さらに考えられているのがわかるのが次の画像。

sdjkt5.jpg

アームホール部分の拡大。
やや背中からの視点で、画面左側が背中、右側が袖です。

ネイビー単色なので若干見辛いかと思いますが、まず袖は2枚接ぎになっていて二面体での構成。
①のところが2枚袖とアームホールの交点。

②は前身頃と後ろ身頃のラインとアームホールの交点で、③がアームホールのカマ底です。

多くのジャケットでは、アームホールのカマ底に身頃のラインとの交点が設定されます。
なのにこのジャケットは②と③の交点がずらされている。
このデザイン/パターンが意味するところは、脇線に縫い目を持ってこないことでさらに肌触りや着心地を向上させているということなのだと思う。
主産物か副産物かはわからないけれど、ドレープをさらに美しく出すことにも寄与している。


つまり
・生地そのものが既に持っている超高いポテンシャルの肌触り
・ステッチラインを表に出さない
・そのラインすらも体のエッジに触れさせない
という、快適性を成立させる為にハイレベルな構造設計がなされています。


本当のデザイナーの服はここまで考えられているのだと思いました。
どうすればこの生地を生かしきれるか、どうパターンを工夫すればさらに着易くなるのか。

着るとわかりますが、いや着ないとわかりませんが、肩がきちんと支点になっているジャケットの構造とその生地の特性による落ち感/ドレープ、そして何より圧倒的な着心地がそこには存在しているのです。

言葉にするとこうなりますが、感覚的には「空気の層をまとっている」ような印象です。

あれ?今まで自分が着てた服って何だったんだろう?
そもそも服ってこんなに気持ちよかったっけ?

天上のひとびとがまとう羽衣が現代にあるとすれば、それは多分smoothdayの服に他ならない。
それくらいの衝撃でした。

それが初めてsmoothdayに行った日のことです。
あまりの衝撃に値段は高かったですが2色買いしました。
いや、この服の価値からすれば全く高くない。
買っておいて本当に良かった。

sdjkt4.jpg

そしてくちゃくちゃに丸めようが折り畳もうが、まったく畳みじわができません。
そこにあるのは美しき善きドレープのみです。


[声なき声]
smoothdayは着心地とか肌触りという衣類の根本を全面に押し出しているけど、デザイナーの杉原淳史というひとは、そんなのは当然のこととして「なぜひとは服を着るのか」というもっともっと根源的な問いにいつも意識的に向き合って服作りをしているんじゃないかと思う。


たかが1枚の服に対して考え過ぎだよとあなたは笑うかもしれない。


しかし、このたった1枚の服が、僕らに色々なことを考えさせる。
ひとの営みに欠かせない「服を着る」という基本的な行動に伴う「感覚」というものを、多くのひとが経験したことのない高次元なものに引っ張り上げている。
そして、その服を差し出された僕らには小難しいことを考える必要は一切ない。
ただただ「気持ちいい」という原始感覚のみでそれを享受できるから。


その服は僕らに何かを声高に主張したり、押し付けようとしたりは決してしない。

けれど袖を通すと確かに聞こえてくるのだ。

ものすごい強度の声なき声が。


そんな服を作ることは、服に根源的に向き合っている人間にしか出来ないと、僕は考えている。


そして今日も、僕らはその声に耳を傾ける。
おそらくは明日も、明後日も。

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[ 2013/12/09 01:53 ] Today's style | TB(0) | CM(4)

goodコーディネイト

guidiのこういうコーディネイト、新鮮ですね!
guidiの持つややハードな質感が、生地とシルエットできれいめ寄りにモディファイされたストーンアイランドの軍パンで中和されて、ミニマルな雰囲気のスムースデイJKやスタンドカラーブルゾンに自然に繋がっているのが、センスの良いコーディネイトだなと思いました。

それにしても、相変わらずマニアックに服の構造に立ち入った詳細な考察は、楽しく、勉強になります。
tkj、服ダイスキネ。

このシリーズのジャケット、僕はムーンサーフィスという表情のある生地のを持っているんですが、現代生活に即した新しいジャケットという感じでお気に入りです(結局、ネイビー・アイボリー・グレーと三色買いしました)。
それなりの年齢になると、今年のように蒸し暑い時期が続いても、プライベートとはいえ半袖はなぁと思うシチュエーションがあります。
かといって、半袖の上にテーラードJKを羽織ると袖裏がべたついたり、Tシャツの上からだとJKの襟が首にこすれたり、不満が多かったのです。

その点、このジャケットは、テーラードJKほどのかっちり感はないものの、ほどよい上品さと大人の嗜みを感じさせるもので、大変便利です。
とにかく涼しいですしね。
特に、スムースデイのTシャツやポロシャツの上に羽織ったときの快適さといったら!
汗を吸収放出してくれるので、半袖だけよりも快適でした。
今年の初秋の京都旅行で、ちょっといい店に行く時などに大活躍しました。

僕は、クラシコ系やビスポークなども好きなので、昨今流行のボリオリやラルディーニなどの、芯地とアイロンワークではなく型紙で形成するタイプのJKは、中途半端かつファンシーな感じがしてあまり好きではありませんでした。
ただ、スムースデイの杉原さんとお話しさせて貰い、男のJKの未来は、上記二つの手法のJKではなく、彼が駆使している立体裁断で形成するJKにあるのではないかと思うようになりました。

クラシックなJKは、その副素材の多さ故に、どうしても熱と湿気がこもりやすく、また、抜けにくいです。
例え軽量なナポリ仕立てであっても劇的な効果までは期待できません。
また、ナポリ仕立ての服は、日本の高温多湿の中で着ていると、昼過ぎにはしわくちゃになり情けない見栄えになることもあります。
その点、杉原さんの習得している、レディースのクチュールの手法を応用した立体裁断でJKを作ると、副素材をほとんど省き通気性を確保しながらも、しわくちゃにならず立体感を維持したジャケットを作ることができます。
彼は、tkjさんが画像で着ているようなカーディガンぽいJKだけでなく、かっちりしたJKもこの手法で作ることができます。

一年の半分が亜熱帯のような気候になってしまい、クールビズを強制される日本においては、彼の技術を使ったJKが、男の品性を保つ手段になるのではないかと期待しています。

スムースデイ、今月20日で、移転のための一時お店のクローズという寂しい状況ですが、移転後の再会に無茶苦茶期待しています。
夫婦でお店に通い詰めて感じたことなんですが、このブランドは、リピート率が半端じゃなく高い!
しかも、みなさん(僕ら夫婦もですが)短期間の内にお店を再訪して、複数アイテムを購入していくんです。
というわけで、小野莫大小さんには、早期のお店移転を強く要望するのであります!!
[ 2013/12/09 10:09 ] [ 編集 ]

股間

パンツ、上げ過ぎでは?股間がいつもモッコりしていますよ
[ 2013/12/09 21:32 ] [ 編集 ]

Re: goodコーディネイト

赤い水性さん

いつもコメントありがとうございます。
お世辞でも褒められると嬉しいです。
tkjは褒められて伸びる(増長する)タイプです。

僕も赤い水性さんが挙げられていたタイプのジャケットとの対比も途中まで書いていたのですが、冗長になってしまいそうで止めたのです。
赤い水性さんが言及してくださったので助かりました!
さすがです。

smoothdayの店舗、もちろん僕も早期再開を切望しています。
いい店舗物件が見つかるといいですね!
[ 2013/12/10 01:29 ] [ 編集 ]

Re: 股間

確かに!
短い足を長く見せようとする必死さの悲しき表れです。
もっと力を抜くべきですね。

いつもご覧頂いている方ならではのご指摘でした。
ありがとうございましたm(_ _)m
[ 2013/12/10 01:30 ] [ 編集 ]

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