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2013年をこの服で締める

[not only Fashion and Styling,but also Style]
ブログを始めてから、徐々に「魅力あるひとつのプロダクト」といういわばファッションにおける各論よりも「スタイリング」という総論に重心が傾いています。

この1〜2年はその傾向が顕著で、Today's Styleが多くなっているのもその表れでしょう。

もちろん両者は対立する概念ではありません。

スタイリングセンスに優れたひとであれば個々がチープでも全体として洗練されたコーディネイトが出来ることは明白ですし、すごいプロダクトがあまりにも悪目立ちするケースもあります。

僕はプロダクトそのものにもそもそも強く惹かれる性質ですので、各論総論どっちも大事。

さて「スタイリング」と「スタイル」は似て非なるものです。
「スタイリング」は個々の洋服を組み合わせて全体像を作り上げること、もしくはその全体像のことで、「スタイル」というのはファッションにおける全体的な「在り方」であり、さらには「佇まい」「生き方」のようなものが加わってくるもっと大きな概念を含む言葉として僕はとらえています。

ある一定の方向性を持ったスタイリングを続けていくこと。
日々を暮らしていくこと。

意識的にせよ無意識的にせよ、その過程で自ずと個々人の「スタイル」が出来ていくのでしょう。

stylingという現在進行形の行為が継続によりstyleという現在形に昇華する、と言えるかもしれません

発言や身に着けているものなどからはその人の思想やそれこそスタイルが隠しようもなく垣間見えるものです。
それについてはまた別に機会に「選択する洋服群からほの見える個人の背景その他についての考察」とでも題して考えてみたい。

生き方について話し出すときりがないし話せそうもないのでファッションに限って話そう。


その時々で流行のものを身に着けていくことも立派なスタイルですし、クラシックにこだわることもスタイルです。

自分の中で何か確固たるスタイルというものを作りたいと、ここのところ常に思っています。

最近同じことばかり言ってますが、一般的に言えば、繰り返される言動はすなわち、渇望と同時に欠落・不足をそのまま意味することが多い。

つまり自分がファッションにおけるスタイルというものを確立できていないことを自らの言動によって証明していることに他ならないわけです。

そしてそのスタイルのひとつのために加えたいと思っていたものがありました


[ダブルライダース、もしくはそれに類するレザーウェア]
今シーズンはダブルのライダースに強く惹かれていました。

レザーが大好きな僕にとってはもちろんプロダクトそのものに抗い難い魅力がありますし、色んな洋服群の中でもひときわ存在感の強いダブルのライダースというものの力を借りてスタイルを構築できないだろうかと無意識に思っていたのかもしれません。

そして自分の中で比較的明確なスタイリングのイメージがありました。

「ダブルライダース的レザーウェアをシックに、ナチュラルに」

特に最近はファッションと何か別のジャンルを絡めて考えるのが好きではなくなっていて、ニュートラルに服を着たい気持ちが強い。
つまりライダースなどのパブリックイメージであるロック/パンクミュージックやバイクに絡めないスタイリング。

とかくファッションは音楽とかアートとか他分野のアイデアを取り入れて成立させようとする向きがあって、しかもそれらよりもファッションが一段低いような態度をとりがちですが、もっとニュートラルにパラレルに存在させるやり方を考えてもいいんじゃないかと個人的には思っています。

衣食住という人の営みの根本にあるくらいなのだから、卑下する必要は全くない。
「デザインの高度さ」という観点に立っても、他の芸術(という言い方は好きではないけれど)と勝ち負けを争う必要もない。

閑話休題。
「男っぽい」という形容詞句がついてまわりがちなレザーウェアですし、僕自身外見にまるっきり女性的/中性的要素のない男性的男性ですから、そのイメージ通りにいくと大変なことになりそうですが、従来のやり方ではないもっとニュートラルなスタイリング。


少しだけハードなダブルライダース。
ちょっと太めのメタルフレームやセルフレームの眼鏡。
柔らかなストール。
洗いたてのコットンのドレスシャツもしくは質の良いカットソー。
いつもの膝下スリムの色落ちしたブルー/ブラックデニムもしくはクリースの入ったドレスパンツ。
guidiのアンクルブーツやEdward Greenのジョッパーブーツ。


もっと言ってしまえばダブルライダースに限った話ではなく、それに類するようなウェアです。
ダブルライダースと言うのはあくまでイメージ。


今シーズンは今持っているアウターを着るつもりでしたので、来期に向けてちょっと市場調査でも、という軽い気持ちでAero leather、Lewis Leather、Vanson、Schott、 Langlitz Leatherのようなバイカーの為の本格メーカー、Junya WatanabeやChrome Hearts、ドメスティックブランド、アルチザン系(という名前はあまり好きではありませんが)ブランド、guidiレザーを素材に使用しているメーカーなど色んなところのライダース/レザージャケットをネットや店舗で見てみました。

そしてその中でも比較的シンプルでプレーンなデザインのいくつかをピックアップしていたのです。


[邂逅]
そして僕は理想のウェアに出会います。
ミニマルと言っていいほどのシンプルさ。
ライダースではないけれど、シングルとダブル両者の要素を持つようなデザインでしかもそのどちらでもない。



[C・C・P]
Carol Christian Poellでした。

CCPといえばcar pe diemのMaurizio Altieriにも肩を並べるアルチザン系のオリジネイターでかなり変わった服を作るデザイナー、Liftでの取り扱いという認識はありましたが、価格的にもスタイリング的にも自分からはかなり遠い位置にあるブランドだと勝手に思い込み、これまで真剣にその洋服群を見たことはありませんでした。


今思えば何かの巡り合わせだったのかもしれませんが、実は今年の7月くらい、友人との会話の中でたまたまポエルの名前が挙がり、彼がHelmut Langのパタンナーだったことを教えられていたのでした。

えええ!?
ラングのパターン引いてたの本人じゃなくてポエルだったの??

ラングと言えば僕が大学生の頃にライセンスのカットソーとジーンズ数本を愛用していた、今でも忘れることの出来ない今日の自分のスタイリングの礎ともなったデザイナーです。


実はラングがミニマリズムという新たな手法の旗手になれたのは、ポエルの存在のおかげだという。


そして、ようやく最近関わり始めることが出来たguidiの背景を説明する文章には必ずと言っていいほどポエルへのマテリアル提供が謳われている。

つまり僕がこのウェアに辿り着いたことには大した偶然性も蓋然性もありません。

でも、これまでの自分のファッション歴の中にあった事象が伏線として回収され、散在していたピースが少しずつ輪の中心に集まっていっているような感覚がありました。


[探せ!]
それからはこのレザーウェアの情報集めに奔走します。
奔走は大げさか。

インターネットはいわば豊穣の海のように見えます
ちょっと探しただけである程度情報は簡単に集まります。
しかしそれはおそらく水深の浅い海域の情報(この「浅い海域」と認識、自覚がネットを使いこなす上で大事な部分なんだろうと思う)、深いところにある情報には、自らが潜って触れる必要があります。

それはポエルが発表したFencing Leather Jacketという名前のものでした。
07AWにカーフ素材で出たのが一番初めで、それ以後は素材がホースのものがほとんどのようです。

現在日本にはどこにも在庫がなく、探したら海外には数点ありました。
ただポエルの独特のパターンとレザーという素材の特性上、個人輸入するにはあまりにも危険。
そしておそらくはmy sizeである「48」はどこにもありませんでした。

当然諦めざるを得ません。

ただでさえ最近はネットで洋服を買うことはを控えています。
サイズ感、素材感、全体の印象など、満足のいく買い物はネットでは出来ないとようやくわかったからです。
遅いか。

いや、もちろんそれでも欲しいものは買っちゃいますけど。


もういっそのことsize50をポチってしまおうか。
そこまで精神的に追いつめられていました(嘘です)。


そんな状況の中都内に行く用事があって、CCPの取扱店に立ち寄りました。

10月のことです。

Fencingがあるなんてそんなの期待してないどころか、まったく考えていませんでした。
CCPの服、改めてちゃんと見てみようと思い、店内に入ると右奥のラックにFencing Jacketがあります。


え、ちょ、ええええ!!!!!??


自分の目を疑いました。
ドリフばりに二度見しました(してません)。

しかもマイサイズ(と思われる)48!
黒!

迷わず試着するとまさしくジャストサイズでこれ以上でもこれ以下でもない。


まさにその日に入荷、僕が入店する直前に陳列されたと。
入荷は2年振りだそうで、48はこれ一着。

店員さんにこれを探していて海外での購入も考えていたことを伝えると、

「奇跡ですね!!」

ええ、奇跡としか表現できません。

ここで買わなければきっと一生後悔する。
二度と出会えないかもしれない。

清水の舞台から飛び降りるどころの話ではなく、飛び降りた先はエトナ火山の火口くらいの覚悟で購入しました。


明日、画像で。
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[ 2013/12/29 00:00 ] アウター | TB(0) | CM(2)

tkjさんこんにちは。

スタイルは時代を追求するものです。
また変化は、生きるための最も健全な手段です。

スタイルには広い見識と、国際性が求められる一方、
手持ちのアイテムから生み出される斬新な組み合わせにより、
自分の気持ちに正直にToday's Styleを変化させていくことが
次に進む鍵だと思います。

それから着飾ることに罪悪感を覚える必要はまったくありません。
服を仕立てることで生計を立てている人はたくさんいます。
後ろめたさは必要ありません。

まさしくtkjさんは正しいと思います。
[ 2013/12/30 08:01 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ハルさん、コメントありがとうございます。

色んなことをごちゃごちゃ考えて文章を書いてますが、結局最後には洋服が好きだなあ、楽しいなあという気持ちだけが残って、それでいいんだろうなというところに辿り着いています。

今年も一年ありがとうございました!
[ 2013/12/30 23:06 ] [ 編集 ]

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