Today's style-27-

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上:saint james / OUESSANT SOLID 杢グレー
中:オーダーの白シャツ
下:AG jeans / Dylan
靴:Tombolini / ストレートチップ

宝くじで1万円が当たりました。
向こう数年分の運を使い果たした気がしていますtkjです。

[ほんとうの普段着が見たい]
Today's Styleなんて気取った名前で始めたスナップですが、もうすぐ30回を迎えようとしています。

なぜ僕はこんな素人のスタイリングを恥ずかしげもなく晒しているのでしょう。

自分自身をまったくもっておしゃれじゃないとは思っていません(なんて厚かましいんだ・・・)が、何かを提案し他人の行動を変容出来るほどのセンスを持ち合わせているとも思いません。


それは僕自身が「洋服好きでおしゃれな大人のほんとうの普段着を見たいから」でした。



僕は「FRUiTS」なんかでストリートスナップの洗礼を受けた世代です(1980年前後生まれ世代)。

裏原系と呼ばれたストリートファッションがまさにストリートを浸食し、その一方で古着やアメカジ派がいたり、それらに負けじとギャルソン、ヨージなどのDC系や、ヴィヴィアンウェストウッドなどパンク系、ヨーロッパのアントワープ系が洋服好きを狂喜乱舞させていたあの時代。

小沢健二がかつて歌ったように、そんな時は過ぎて、大人になりずいぶん経ちます。


労働に時間をとられるようになって、趣味としての洋服を着る時間は圧倒的に減り、洋服を熱心に好きな友人は少しずつ減っていきました。
独身が終わりを告げたりして、洋服だけにはお金を使いにくくなりました。
子育てが始まったり、年齢なりの服装というものを考えたり、徐々に嗜好も変わってきます。

時代の流れとしても、社会におけるファッションに対する熱の温度はあの頃に比べると相対的に低いように思います。


それでも洋服が好きなままだった僕は、徐々に変わりゆく嗜好や環境の中でどういう格好をしていこうかを考える同士のような存在が欲しかったのかもしれません。


その同士として手っ取り早いのはやっぱり雑誌のスナップでしょう。
一般の方からショップスタッフ、デザイナー、様々なひとたちのスナップが種々の雑誌にあります。

確かにみなさんかっこいいんです。
でもなんか違う。
「リアリティに欠ける」と言えばいいのでしょうか。
みんなスマートで手足が長かったり、年代が若かったり、べらぼうに高いブランドで身を固めていたり、自分の環境にそぐわなかったり。

もちろん中には「これはかっこいい、参考になる」というスナップもありますが、やっぱり少なくて。


そんな中ひとつの時代を築いたとも言えるイタリアのおじさまがたのスナップは、僕にとってもひとつの回答でした。

実際にイタリアに行った時に、ああほんとにみんなかっこいいんだ、と感心せざるを得ませんでした、
安価なカミチェリアでジャストサイズのシャツを買い、名もないパンツにきちんとクリースを入れて短めの丈に詰め、靴はきっちり革靴を履く。
それは容易に真似が出来そうだという点において、僕にとってはリアリティを有したものでした。

単純なかっこよさももちろんありましたが、特定のブランド名が表に出ないような服を身に纏い、お腹が出た人も背が小さい人も一様にみなおしゃれを楽しんでいる姿。

ちょっとしたサイジング、裾や袖のまくりかたやアイテムのチョイス。

それは外国人に僕たちが持ってしまう憧れを差し引いても残るものでした。

LEONという、はっきり言ってお金を持っていないと楽しめないはずの雑誌があんなに大衆に受け入れられた本当の理由は、上に述べた様なリアリティにあるような気がしています。
雑誌のコンセプトからすると、それは内在する自己矛盾のようにも見受けられました。
そもそも「お金よりもセンス」というコンセプトが紙面から微塵も感じられませんでしたが。
ほんとにあんなのぽんぽん買える層が読んでるのかなあ?


今のところ、いちばん雑誌の中で参考になるスナップとしてはsafariかなと思います(ただ単に37.5歳(だったっけ?)という彼らが対象としている年齢に自分が適合しているだけの様な気もします)。

それでも雑誌のスナップは、ほとんど予告して行われますよね。
「X月Y日Z時から仙台フォーラス前でスナップ撮影を行います!」
みたいに(ローカルですみません)。

すると、やっぱりそれぞれ一張羅(死語だよな)で馳せ参じるから、どうしても普段着というリアリティが0.5段階くらい落ちてしまう(いや、落ちたっていいんですけど)。
彼らのコンセプトが「普段着」だったとしても、その普段着の中でも写真に撮られて雑誌に掲載されたいという気持ちが「一張羅の」普段着に手を伸ばさせる。

でも僕らの生活は当然1日じゃなくて毎日あるわけで、その日の数だけスタイリングがある。

かといって、仮に素人の1週間のスタイリングを寄せ集めた雑誌があったとして、お金を出して読みたいかというと未知数過ぎる。


そこで出てくるのがやはりブログという媒体です。
今の情報の流動性のスピード感覚からすると、雑誌という形態はアウトプットまでのスパン(つまり出版の間隔)が長い。そして、プロが絡んでいる時点である種のリアリティが削ぎ落されてしまっている可能性があり、かつ有料である。

素人のスタイリングなんか見てもしょうがない、リアリティ云々よりプロの提案でなきゃ、という人もいるとは思いますが、現在のスナップ企画全盛の雑誌群を見ると、購買層が求めているのはプロの商品提案と、同時にそれをいかに自分の生活に融和させるか、の2点であるように感じています。

冒頭に書いた「洋服好きでおしゃれな大人のほんとうの普段着を見たいから」という願望。
僕について言えば「洋服好き」というところしか必要条件を満たしていない気もするのですが、センスの良し悪しは別として、なら自分でやってみよう、と思ったわけです。

ここまで文字に起こしてみてようやく、自分はこういうことを考えてToday's Styleをやっていたんだなと、腑に落ちました。人間って結構無意識、無自覚に生きてるもんですね。

僕の取るに足らないごくごく小さなブログなんて影響力は皆無です。
それでも、僕みたいな手足も長くなければ、突出したセンスもない一般人のスタイリングを見たいというニッチなニーズが存在することを信じて。



心がけているのはただ1点だけです。

なるべく自分撮りをしないこと(ほぼ全て妻に撮ってもらっており、どうしても妻の手を借りられないときはタイマー撮影です)。

すごく好きな方のブログでも、自分の見下ろしでシャツの末端+パンツ+靴だけの写真とか、鏡の前で自分で撮ったりしているのが残念で。

全体を見て参考にしたいんです僕は!



もし、スナップが結構あるようなブログをご存知の方は教えてください。
STYLE from TOKYO(by rei shito)とかサルトリアリストとかはナシで、一般の方がやっているものをぜひ。

そういう意味で、念ブログ(http://daywalker1.exblog.jp/)の藤原さんは顔も出していらっしゃることも含め大リスペクトしております(藤原さんは手足細くて長そうでその辺はリアリティに欠けるっていうか短足のひがみですごめんなさい)。

僕も顔を出せたらいいな、と思うんですが、わりと本気でひどいので無理です(泣)。


[と、いうわけで今日の格好]

上はセントジェームズのウエッソンです。

本当はウールのベストを着たかったのですが、次男を抱っこひもで抱っこする時にちょっとちくちくして嫌がるから綿素材のものを選びました(高級な細番手のウールならそんな思いをせずに済んだものを!!)。

これが僕の言うリアリティですよ(ちょっと泣きながら)!!!

このウェッソンは大学生のときから着てますから10年近いです。
ぜんぜんよれたりしてません。
あーすげー。

ちょっとドレス寄りのシャツをインナーにすることが多いです。
全体として洗練されたカジュアルみたいなのを演出したくて。


中に着てるのはオーダーの白シャツでオックスフォードの洗いざらし。
ボートネックには、ワイドスプレッドが一番似合うと思っています。
写真からは到底見えませんが、白×白のストライプ。


下はおなじみAG Dylan。
プレーンでクリーンな格好にはやはりあまり色落ちしていないデニムを合わせたい時があります。
過去の記事:http://qwerty1234567890.blog116.fc2.com/blog-entry-218.html


靴はTomboliniというイタリアで購入した日本では無名のアパレルメーカーのものです。
イタリアで有名かどうかすら知りません。

過去の記事:http://qwerty1234567890.blog116.fc2.com/blog-entry-25.html

地味に活躍し、ずっと手元に残っている靴です。
磨けば割に光ってくれるし、きれいな形で便利な一足。


これまた書いてて気付いたのですが、僕のしたい格好の共通した思いは「Simple & Clean」のようです。
それがほの見えていても、いなくても。

それでは。
















無地のウェッソンは便利です。


















今のところこれがいいです。



関連記事
[ 2012/11/02 00:00 ] Today's style | TB(0) | CM(4)

まさに

自分にとってはスッと胃に落ちるような素晴らしい文章でした。

自分も同じことを考えるためスナップ集はいつしか買わなくなりました。
マーケティングが見え(隠れす)るというのもありますが、そこは当然ですよね。

ブログで受けるtkjさんの印象は「Simple&Clean」な印象です。
そしてそこは自分が目指しているところです。

「他者に好印象を残すことが前提の装い」といいましょうか。

自分が着たいものを着ていますが、同様に着たくないものもあるわけで
そこが個性かなと思います。

今後も更新楽しみにしています。
[ 2012/11/02 13:34 ] [ 編集 ]

kbさま

過分なお褒めのお言葉ありがとうございます。

kbさんのように感じてくださっている方がいるということを知っただけでも、大きな励みになります。

なんだかんだ言ってもファッション雑誌はいまだに大好きで、買うことは少なくなりましたが、定期的にチェックしています。
ファッションに限らず、僕は雑誌というかたちをとったものが大好きです。
色んな情報の「雑」な部分がたまらなく好きなのです。

最近ではCASAのデニム特集とeyescreamのスケーター特集が面白かったです。

プロの業界の方にしか知り得ない情報や、洋服のみに目を向けられない市井のひとでは気付かない良品を幅広く提案できるのはやはり雑誌という媒体の他にはあり得ないんですよね。

だから僕がやりたいのは(と言ってもそんな大それたことではなく)、そのちょうど隙間を埋めることなのかもしれません。

これからもよろしくお願いいたしますね!
[ 2012/11/02 22:56 ] [ 編集 ]

リアリティ

tkjさん、こんばんは。

以前から個々の服飾については参考にさせていただいておりましたが、
最近の「Today's style」スナップは大変参考にさせていただいております。

もちろん予算をかけて余所行きのカッコで決めればそれなりに写るわけですが、
そんな機会はきっと年に1、2回くらいしかなくて、
そしてそこには余所行きと普段着の境界線を自分の中で引いてしまっている。
着てナンボの洋服を自らが崇高な存在へと高めてしまう危機感を感じる
自分としては、今回のエントリに大変共感した次第です。

tkjさんのユーモアある文章力やToday's styleの着まわし方も含め、毎回更新を
楽しみにしております。
自らの普段着のセンスを高めていくべく今後もリアルなブログに期待しています!
またお邪魔させていただきます。長々と失礼しました(^-^)
[ 2012/11/04 19:07 ] [ 編集 ]

gohkitiさん

こんばんは。
身に余る嬉しいコメントありがとうございます!

「余所行きと普段着の境界線」は確かにありますよね。
恥ずかしながら、エルメスの靴なんて買ったから5年くらいたつのに愛おしすぎて数回しか履いてません。
gohkitiさんがおっしゃるように、どんなに高価なものだとしても実際使ってナンボですよね。
普段着を出来るだけおしゃれでかつリラックスしたものにしたいなあと常々思っております。

僕も定期的にgohkitiさんのブログ拝見しておりました。
これからもよろしくお願いします!
[ 2012/11/04 21:20 ] [ 編集 ]

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