今年は夏が終わってからPoellのレザージャケットばかり着ている。
正しくはObject Dyed Fencing Leather Jacketという。
モータースポーツと結びつけられがちなレザージャケットだが、フェンシングの防具をモチーフにするあたりいいところを突いている。
フェンシングだけに。
丸3年は着ているが飽きるということがない。
というより「飽きる余裕すらない」のが正しく、未だに攻めあぐねている。
圧倒的に着られている。
このホースレザーには歩み寄りという考え方はないらしい。
全く俺の側に寄ってこない。
そしてとにかく硬い。
よく着ているのにもかかわらず、全く革が柔らかくならない。
下手すると今でも自立する。
ただ一筋の光は見えている。
肘のところだけは柔らかくなってきたのだ。
これから長い年月をかけて飼いならすしかない。
2013年11月に代官山のLiftで購入した。
購入時の暑苦しいエントリ:
http://qwerty1234567890.blog116.fc2.com/blog-entry-409.html税込で63万だった。
俺の人生で1着の衣料費がこれを超えることはもうないだろう(確信はないけど)。
はっきり言って馬鹿げた価格だ。
こんな値段の洋服を買うなんてタガが外れている。
狂っている。
一介のカタギが買う服ではない。
今でもそう思っている。
それでも抗えない魅力があった。
それは非の打ち所のないプロダクトとしての魅力ではない。
革は分厚く、硬い。
しなやかさ?
これは防具だ。
しなやかさで身を守ることができるか?
光沢は強く、悪く言えばギラついている。
上品な輝き、などとはお世辞にも言えない。
肩は狭く、腕は長い。
動きづらい。
革の匂いがひどい。
付属のブルーシートみたいな素材のガーメントケースに入れておかないと部屋中に革の匂いが充満する。
これを着て満員電車に乗ろうものならスメハラ必至。
レイピアで串刺しにされても文句は言えないかもしれない。
フェンシングだけに。
・・・悪いところしかないじゃないか。
だけどかっこいいとしか言えない。
間違いなく、今まで見てきた重衣料の中でtop3に入るかっこよさ。
恐ろしいまでの非代替性。
もう黒のレザージャケットはこれ以外着ない/買わないだろう。
茶のレザーは考えるところがあるのでそのうち言及する。
カットソーだろうがシャツだろうがジーンズだろうがスラックスだろうが何を選んでも到底勝てはしないので、極力邪魔しないようなものを着る。
靴は今はtech系のスニーカーが個人的にちょうど良い。
そして今日も、黒髪七三メガネでちょっとでもこちらの側に引き寄せようと懐柔奮闘してんだ。
もうすぐ40になろうとする男が未だにこの服どうやって着てやろうとか必死で考えてんだぜ?
まあこんな服買うヤツなんてまともじゃないに決まってる。
でもさ、もし誰かの目を気にして、まともであろうと努めてるんなら無駄だからやめた方がいいよ。
悩んでる間に、着たい服も着れないであっという間に時間は過ぎて、老いていくんだから。